新型コロナウイルスの感染経路は飛沫感染(痰や唾液などの飛散を直接浴びてうつる)と接触感染(ドアノブなどものを介してうつる)と言われており、空気感染に関してはまだはっきりとわかってはいません。現在は5月1日に改訂された国立感染症研究所の疫学調査よる指針を参考に院内感染対策を行なっております。

下線の部分は新型コロナ対策として従来の感染予防に加えて行なっています)

医療従事者の感染予防について(患者と歯科医師間など)

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まだ日本では歯科医院で歯科医師と患者間の感染例は明らかになっていないようですが、歯科医師や治療スタッフは患者さんからの感染リスクが高い職業と言われております。当院では正しい手技によるマスク、フェイスシールド類の装着や、手洗い、効果的な吸引(口腔外バキューム)、治療機材のゾーニングを行うなどの対策を行なっています。

新型コロナウイルスに感染した人の唾液にはウイルスが存在することが明らかになってきています。また、症状のない方でも感染していることもあり(無症候性キャリア)、発症2日前より感染力があるという報告もあります。そのため治療前には新型コロナウイルス感染症に対する毎回の問診と検温消毒薬によるうがい(含嗽)を行なっていただいておりますのでご協力下さい。

また適切な治療を適切な時間で行うことも考慮しています。歯科医師の判断で応急処置にとどめる場合がありますのでご了承ください。

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また、通常は使い捨てのマスクや予防衣を適切に滅菌を行うことで、新型コロナウイルスの治療に使用する医療資源を消費しないことも心がけています。

スタッフ間の感染予防について

新型コロナウイルスの感染経路で医療機関内での医療従事者間の感染が多いことが報告されています。当院では毎日の検温と、休憩や食事の時間で距離をとる場所を分けるなどの対策を行なっております。

患者間の感染予防について

従来から行なっている機材や診療台の滅菌消毒に加え、待合室での人の距離をとること、診療台の距離をとることを行なっています。

待合室ではマスクの着用をお願いいたします。

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また当院はビル内の診療室は、広く開放的な診療室と個室を備えておりますので患者間の距離が適切になるよう配慮しています。

ビル内の換気に加えまして、全面に窓があり、効果的に外気を取り入れる換気ができますので、適宜外気による換気を行なっております。天候の移り変わりがある時期ですので、気温、騒音、雨天、強風時は窓を開けての換気ができない場合も適切な環境に注意しております。(診療室の窓を開けて換気を行うことは、従来の保健所の指導に基づく院内環境とは異なります)

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診療台は患者ごとにカバーを交換する、または消毒薬で清拭するなどの対策をとっております。(消毒薬での清拭は消毒薬によるスタッフへの害が問題となり、行わなくなっておりましたが、不織布等のカバー類の供給が少なくなっておりますので、部分的に行なっております)

一番大切なこと

新型コロナウイルスによる感染様式はまだ全てがわかっておらず、エビデンス(根拠)に乏しいのが現状です。また、どの対策が効果的なのか(受付のシールドや空気洗浄機、環境消毒など)、不明な点も多く、多くの方を混乱させています。

さらに、病院での院内感染が多くでていることから、医学的知識がある人ですら、感染を防ぐことは容易ではないことを示しています。

ところが、ダイヤモンドプリンセスでは厚労省の職員や検疫官の感染があった一方で、自衛隊員の感染は皆無でした。このことは手洗いやマスク、シールド、予防衣の脱着方法、手で顔を触らない、といった基本的な事項を忠実に守る、その練度、質が重要であることが予想されます。

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当院では過去20年において、口腔外科処置やインプラント手術を通して、多くの感染予防対策を行なっており、勤務者の練度を向上させる努力をしてきました。

より安全に治療を受けていただけますよう、これからも新しい知見に対応して、根拠のある予防策を行なっていきます。【花井淳一郎】